乾癬治療のメディカルリサーチ

乾癬改善のためのケイシー療法プログラム
2000年3月

乾癬は様々な症状を発する慢性疾患です。通常は赤い斑点状の皮膚が出来たり、炎症を起こしたり、銀白色の鱗で皮膚が盛り上がったりします。アメリカでは非常によくある病気ですが(約300万人)、原因不明のため治癒するとは考えられていません。

エドガー・ケイシーリーディングでは、ほとんどの乾癬の原因は、消化器官から漏れ出した毒素によって引き起こされると述べています。小腸の壁が薄くなり、この薄さゆえに毒素が消化器系から循環器系に漏れ出すのだということです。そしてこれらは、最終的に皮膚の毛細血管に至る道を見つけ、皮膚の免疫反応を引き起こすのです(訳注:つまり、肛門を通して排出されるべき体内の毒素が腸から漏れ出し、血中に逆流し、最終的に皮膚の発汗組織から排出される)。

過去数年間、このエドガー・ケイシーのアプローチを支持する、いくつかの症例を医学的な報告を得ていました。これはケイシーの治療に関するアドバイスを系統的にまとめ適用した一人のカイロプラクター、ジョン・パガノ医師によるものです。彼は、「自然な方法で乾癬を癒す」(邦題:エドガー・ケイシーの自然療法)を書いており、かなり深刻な症状の乾癬が完全に治癒した症例記録を数多く持っていました。

メリディアン・インスティチュートでは、パガノ医師のアプロー チを確認しながら、腸の浸透性もしくは「漏れのある消化管(腸)」の調査をする2つのプロジェクトを実施しました。4年前、私達の最初の大きなリサーチプロジェクトでは、パガノ医師をアドバイザーとして招き、10名の患者にケイシーのアプローチを講義しました。6ヶ月以内に、彼らのほとんどの乾癬には治癒が起こっており、数名は皮膚の症状がかなり消えていました。

ここにあるレポートは、5名の参加者で再度実施した乾癬用のプロジェクトのものです。(6名参加のうち1名脱落)1999年5月、参加者はまずケイシー療法を自宅で実施するための講義を受け、さらに数回ずつ、蒸気浴、オイルマッサージ、高圧洗腸を受けました。自宅でのトリートメントは、サフラワー茶(紅花茶)、ニレ茶などのハーブティを継続的に飲むというような食事療法も含んでいます。腸の透過性は、砂糖の溶解液を飲んで行う単純なものを用いて評価しました。

乾癬の症状については、乾癬がある範囲を厳密に計った数値(PASI)ーエリックメイン医学博士によって管理された数値ーを用い、また、個人に症状を自己申告してもらった重症度の数値(PSS)で評価しました。患部の写真も撮られました。
(訳注:10日間、参加者はヴァージニア・ビーチに集合し、様々なトリートメントを実施した後、自宅に戻る。自宅では、食事療法、ハーブティの飲用、洗腸、ひまし油湿布、整骨、前向きな態度や心の持ち方を継続して行うように指示される)

6ヶ月間、指示に従ってもらった後、参加者は乾癬の症状を評価するために再度、バージニア・ビーチに集合しました。全ての参加者にかなりの改善が見られました。更に、腸の浸透圧は、5名全員が減少していました。

ほとんどの参加者にとって最も困難だったことは、食事療法に従うことでした。旅行など、様々な要因で食事療法に従うことができなかったとき、乾癬の症状は部分的に再発し、それはケイシー療法のアプローチの、食事療法の重要性を認識することになりました。以下は、5名の方の報告です。

症例NO.1
NO.1は、40歳の女医。1991年に乾癬が始まりました。プロジェクト開始時、彼女は自分の症状についてこう記しています。
「私の乾癬は手足に出ました。軽度から中度の痒みがあり、手を洗うことで悪化しました。私は医療的な現場で頻繁に手を洗う必要がありました。ストレスや十分な睡眠が取れないときにも悪化しました。患者の「その肌、どうしたの?」という質問に答えるのは苦痛でした。これは私の身体の不調和の表れであるとは感じていました。トータルに健全な身体になることを希望しています」

乾癬に加えて、彼女は過去に喘息とアレルギーがありました。しかしホメオパシーの薬によりそれらの症状はかなり消えていましたし、乾癬も良くなっていました。

6ヶ月の後、NO.1は、乾癬は「かなり改善」、乾癬以外の症状も「かなり改善」と報告されています。彼女も、自分の乾癬の症状の度合いは「かなりマシになった」し、態度や感情は「かなり改善した」と感じています。「手と肘の乾癬は完全にきれいになりました。足の乾癬は80%の改善がありました。しかし、ダニ予防の抗生物質を3週間受けた後、乾癬が足に広がったため、60%の改善となりました。

実施前後の写真では、NO.1は、顕著な改善を見せています。ざらついて赤くなっていたためにかなり目立っていた手や肘の部分は、完全にきれいになっていました。足にはまだいくつかの乾癬が残っています。彼女はまた、乾癬の兆候に対する2つの評価での改善を示していました。(項目1参照)

彼女は食事療法は「ほとんど」従い、ハーブティは「ほとんど毎日」飲んでいました。
食事とハーブティは「かなり従った」と言えます。講義の後、ひまし油湿布は数回、洗腸は1~3回、整骨は1回受けています。洗腸は「従った」、整骨とひまし油湿布には「ほとんど従わなかった」と言えます。

6ヵ月後のNO.1のインタビューです。「健康状態は素晴らしく良いです。乾癬もホントに、ホントに良くなりました。手はきれいになりました。以前は手足と肘にあり、ひどい痒みがありました。私は医師ですからゴム手袋をします。手も頻繁に洗います。水は私を悩ませました。
でももう、水で悩むことはありません。手の乾癬は1ヶ月以内に消えました。そして二度と再発しませんでした。肘の乾癬は食事療法を開始して2ヶ月以内で消えました。
ニレ茶はとても助けになりました。1日、ニレ茶を飲み忘れていたら、翌日、指の湿疹の痒みが始まったことに気づきました。ニレ茶を飲んだら、翌日には痒みはなくなりました。ニレ茶を飲み忘れたら痒いのです。これは私には重要なことでした。

私は乾癬になってよかったと思っています。というのは、より良い食事になりましたし、何を食べるかにも注意を払うようになりました」

症例NO.2
NO.2は、68歳の男性でコンサルタントをしています。乾癬は85-86年頃に始まりました。プロジェクト開始時、彼はこう述べています。

「いつも痒みがあります。皮膚は敏感で痛み(熱)があります。私はこの乾癬が自分の健康に影響しているとは考えていません」

写真は、かなり目立つ白いうろこ状の部位と、広い範囲で皮膚が赤くなっていることを示しています。
6ヵ月後、NO.2は、乾癬は「かなり改善した」、乾癬以外の症状は「ほとんど同じ」と報告しています。(注:彼は最初、乾癬が他の健康状態に影響を及ぼしているとは考えていなかった) 彼は、自分の乾癬は「かなりマシになった」、感情や態度は「改善した」と感じています。彼は定年退職したので、ストレスが減ったと述べています。

6ヵ月後のインタビュー:
「私は非常に興奮しています。6ヶ月以内で完全に治ることを期待していました。でもかなりよくなっています。全てが消えるにはもう少し時間が必要だと思います。皮膚は非常によくなりました。それはとても幸せに感じています。半年で50%以上はよくなりました。まだ赤い点々はありますが、もう厚みもないし、痒くもありません。朝起きたときに、白い皮膚でベッド中が汚れているということもなくなりました。」

症例NO.3
NO.3は、47歳の女性。乾癬は1997年8月に発症しました。彼女は乾癬を「痒く、醜い皮膚」と言っています。彼女はC型肝炎もありました。食事はひどく、かなり太っており、大量のお菓子やデザートを毎日食べていました。

6ヵ月後、NO.3の乾癬は「かなりの改善」、他の症状は「かなり改善」と報告されています。自分でも乾癬は「かなりマシになった」感情と態度も「かなり良くなった」と述べています。一般的な健康状態の改善には興味深いものがあります。というのも、今回、C型肝炎を治療したわけではないのです。おそらく、ひまし油湿布が肝炎に有効だったのでしょう。

6ヵ月後のインタビュー:
皮膚の状態はよくなりました。今は背中の腰のあたりに少しあるだけです。でも大したことはありません。頭部はよくなりませんでした。でも、他の部位は全てよくなりました。ちょっと興奮しています。

症例NO.4
NO.4は、44歳の小学校の教諭です。彼の乾癬は、5才のときに始まりました。症状をこう述べています。

「乾燥して剥がれやすい皮膚。過去、私の指はあまりの乾癬の多さにひどく折れてしまいました」

6ヵ月後、乾癬は「改善」 他の症状は「改善」と報告されています。彼は自分の症状は「マシになった」、感情や態度は「改善した」と述べています。

6ヵ月後のインタビュー:
「このプログラムの最初の3ヶ月で、非常にいい結果が出たのが分かりました。食事療法は、乾癬をきれいにするためには、しっかり従うべきだと感じました。この 40年間で初めて頭皮がきれいになり、1ヶ月の間、きれいなままでいました。でも、食事療法に挫折したとき、それはクルーズに行ったときですが、また再発してしまいました。でも以前のようにひどい状態ではありません。他の症状の半分は、すぐに消えていました。指にあった症状は完全に消えました。ホントに素晴らしい!
なぜなら、この2~3年、指は本当にひどい状態にあったのです。

身体のほかの部分は、かなり頑固でしたが、ほとんど分からなくなりました。かろうじて見えるくらいです。

クルーズに行っている間に、食事療法を止めてしまったとき、再び逆のことが起こってしまいました。乾癬が違うところに出現したのです。

今、 よりエネルギッシュになったと感じています。明るい未来を感じます。なぜなら西洋医学の医師がくれていたようなステロイドや他の薬の代わりに、非常に自然な方法を使ったからです。自分が見た結果に非常に満足しています。もし、あの食事療法を可能な限りやり通していたら、おそらく真の癒しを見ることが出来たでしょう。これからやります」

症例NO.5
NO.5は、59歳の主婦です。彼女の乾癬は1953年に発症しました。彼女の症状は、このグループの中でも最もシビアなものでした。

「私の身体の60%が乾癬で覆われています。耐えられないほどの痒みがあります」

彼女は更に関節炎と腹部の膨張(特に夜間)もありました。6ヵ月後、NO.5の乾癬は「改善」 他の症状は「同じ」と報告されています。自分では、乾癬は「同じ」、態度や感情も「同じ」と感じています。実施前後の写真では、No.5は、目に見える改善をしています。最も顕著な症状は、背中を被う赤い患部でしたが、その大きさが減少していました。

6が月後のインタビュー:
「もう自分の乾癬のことは気にしません。レストランで、昼食に私は果物を食べました。夕食にはまたレストランに行ってサラダを食べ、それから食事をしました。 その間には紅花茶と水を飲んでいました。4ヵ月後、大きな治癒を経験しました。だから私はOKなのです。ついに、4ヶ月で。モントリオールからの旅行から帰って、 2週間は大丈夫でした。2週間のち、それはまた戻ってきました。どうしてまた再発したか分かりません。ホントに分からないのです」

もう一人の参加者
このプロジェクトには、30代半ばの女性参加者がいました。彼女は6ヵ月後の検査に戻ってきませんでした。しかし、8ヵ月後にその後の様子を送ってきました。彼女は食事療法を厳密に従っていました。他の療法はしませんでした。彼女の乾癬は更に悪くなっていました。彼女はこの研究には挫折したと思っていますが、彼女の結果は、療法に従うことを止めて、何の改善もなかったという一つの例になっています。
彼女はこう書いています。

「私は2ヶ月間は、かなり厳密に食事療法に取り組んでいました。乾癬は何も変化しませんでした。それから1ヶ月ほど海外に行き、プログラムを止めてしまいました。私は自分の乾癬がひどくなってしまったのは、夏に日光浴をしなかったからだと思っています。毎年していました。それに私はプロジェクトだけで治ると期待していましたから」

このレポートは、乾癬治療のレジメに関して、二つの重要なポイントを強調しています。

まず、この方法は、改善が見られるまでに数ヶ月かかるかもしれないが、パガノ医師の業績を裏付けている。
二つ目に、このプロジェクトは補完医療であり、参加者は現実に治癒が起こっていると感じるまで、最新医療を減らすべきではない。

項目1
個々の腸の浸透圧の評価、PASIスコア、PSSスコア

患者1 前 0.134 後 0.038
患者2 前 0.084 後 0.022
患者3 前 0.034 後 0.019
患者4 前 0.047 後 0.024
患者5 前 0.029 後 0.026
平均  前 0.066 後 0.026

PASIスコア
患者1 前 7 後 4.8
患者2 前 30.7 後 18.4
患者3 前 14 後 0.7
患者4 前 2.3 後 0
患者5 前 37 後 19.8
平均  前 18.2 後 8.7

PSSスコア
患者1 前 7 後 6
患者2 前 14  後 5
患者3 前 21  後 3
患者4 前 7 後 1
患者5 前 24 後 12
平均  前 14.6 後 5.4

Copyright c 1999 Meridian Institute

乾癬患者によるケイシー療法実践レポート
抄訳:光田菜央子

『自然療法で「乾癬」を治す』

ニレ茶