胆石へのひまし油湿布

腹部へのひまし油湿布は長年、様々な病気に対して幅広く用いられてきた。下記は、ディビッド・レディング博士の患者の1人が、胆石の治療にひまし油湿布を用いて、症状の除去に成功したという証言である。

「私は55歳頃から、断続的な胆嚢の痛みと不快感を覚えていました。この症状について最初に診察した医師の診立ては、"痛みがもっと頻繁に起こったり、強くなるようだったら、手術を考えましょう"というものでした。痛みはだんだん、ひどくなっていきましたが、手術の話をする気にはなれませんでした!以前、手術で挿管された時にひどく苦しんだので、2度とあんなことをする気にはなれなかったのです。持ちこたえられる限り不快感と痛みに耐えて、手術を先延ばしにしようと決めていたのです。」

「3年ほど前になると、痛みと消化器系統の症状はますますひどくなり、日常的に苦痛を感じるようになりました。そして、たえず襲ってくる痛みに耐えきれなくなった時、ついに、医師に症状のひどさを打ち明けたのです。」

「レントゲン写真を撮った結果、"複数の小さな胆石"があると言われました。主治医は、生命に関わる緊急事態におちいるのを避けるため、手術を強く勧めました。私は、心の準備ができるまで、もう少し時間をくださいと頼みました。」

「ありがたいことに、ちょうどその頃、自動車事故によるむち打ち症のためレディング先生の診察を受けることになりました。私は、胆嚢の手術をためらっていること、たとえ主治医から勧められても、手術をする気にはなれないことを先生に話しました。すると先生は、"もし、興味があるのなら、昔ながらの代替療法を試してみてはどうでしょう。効果はありますよ。"と言ったのです。この話にはピンとくるものがありました。」

「驚いたことに、レディング先生が私に勧めたのは、ひまし油とヒーターを使った湿布でした。最初は、あまりに単純な治療法なので、はたして本当に効果があるのか疑問でした。でも私は、手術をしないで済むのなら何でも試してみようという意気込みでした。ひまし油とヒーターで湿布した後、治療の第2部として、3日に1度、小さじ1/2からカップ1/2の 範囲で、私が取れるだけのオリーブオイルを飲みなさいと言われました。ただし、もし、胆石が大きすぎて体外に排出できない場合は、オリーブオイルを飲むことによって、かえって、早く手術を受けることになるかもしれない、という警告がありました。私はそれを恐れていましたから、オリーブオイルを飲む勇気がありませんでした。」

「素晴らしいことに、ひまし油の湿布を始めてすぐに不快感と痛みが軽減されました。ひまし油湿布をすると、すぐに楽になりました。痛みを感じたときはいつも、 ひまし油湿布をしました。湿布をしながら瞑想をしたり、テレビを見たりしました。湿布を付けたまま眠ったりもしました。当時、カリフォルニアと中西部の間をよく行き来しましたが、ひまし油を持参して、宿泊先のモーテルでも湿布をしました。本当に効き目があったので、いつでもひまし油をそばに置いておきたいと思ったのです。この湿布のおかげで、緊急手術をしないで済むかもしれないという希望がわいてきました。

そのうち、全身の不快感、痛みといった症状にみまわれる回数が減ったので、ひまし油湿布をしないで数日間過ごせるようになりました。さらに後には、湿布をせずとも数週間、過ごせるようになっていきました。症状がほとんど現れなくなったので、胆石が治ったと思ったほどです。でも、また思いがけず鋭い痛みが生じ、慌ててひまし油湿布を再開しました。そして再び症状が消えるまで、湿布を繰り返しました。」

「私は、約1年半、断続的にひまし油湿布を行いました。その結果、大分具合がよくなり、症状もほとんど消えてしまいました。

ところが突然、2ヶ月ほど前に、背中に激しい痛みが走ったのです。あまりにも鋭い痛みだったので最初に診察してもらった医師の所へ行ったほどです。医師は、 出来るだけ早い手術が必要だと超音波で私の胆嚢を検査しました。すると、なんと驚いたことに、胆石の痕跡は全く無くなっていました。映像に表れたのは正常な胆嚢でした。医師は当惑していました!私が一体何をしたのかを説明すると、医師は憮然としていました。そして、私が感じた痛みは、胆石が体内を通過して体外に出たときの痛みだったのでしょう、と言いました。その後2、3日の間、引き続き胆嚢のあたりに少々の疝痛を感じましたが、それ以降は全く何の症状もありません。以前にあった、消化器系統の問題ももはや、ありません。」

「振り返ってみて、数ヶ月間、断続的に鋭い痛みに見舞われたのは、小さい胆石を排出していたからだということに思い至りました。しかし、そのような痛みは、胆石を排出するために(ひまし油湿布の後)、オリーブオイルを飲むから起こるのだと思っていました。ですから、オリーブオイルを飲まなかった私がなぜそのような痛みを覚えたのか戸惑いました。

このことについてよく考えてみると、1週間に数回、食事の際に"ポール・ニューマンのオリーブオイル・ヴィネガー・サラダドレッシング"を取っていたことに気付きました。それとは気付かぬまま、勧められた通りのオリーブオイル療法を実践していたのです!」

「本当にありがたく思っているのは、胆石が消えてしまったので、恐れていた手術をしないで済んだことです。代替療法で救われた人々のリストの中に私の名前を加えてほしいと、心から思っています。また、引き続きひまし油湿布で、消化不良や胃食道逆流症(逆流性食道炎)および筋肉の痙攣の手当てをしていることも付け加えたいと思います。 ひまし油湿布はそれらの症状も取り除いてくれるのです。ヒーターで温めただけでは、同じ結果は得られません。」

Copyright c 2003 Meridian Institute
翻訳:佐瀬 康子

ひまし油湿布