てんかん

てんかんとは?
医学ではてんかん(癲癇/Epilepsy)を一つ症状ではなく、多くの現象があらわれ、その原因がいくつもある症状をさす。すべてのてんかんに共通するのは、脳内の電気活動が活発になりすぎることである。そのため、てんかんは"脳内に電気の嵐がおこっている"といわれる。

神経系統が一時的に混線してしまうことを、専門用語では"発作"という。発作は体のどの部分でも起こりうる。発作がおこると、意識にいろいろと影響がでる。 たとえば、知覚の変化がおこったり、意識がなくなったりする。筋肉も固くなったり、やわらかくなりすぎたりして、その結果、吐き気をもようしたりする。発 作はいろいろな種類があり、それらは、いったんおこると、体の他の部分にも影響するのである。

しかしながら、体のある部分が原因で、他の部分に発作がおこったとしても、医学では、てんかん性の発作を、脳の病気としてあつかってしまう。この点でケイシーの見方は違っていて、体全体のことを考慮にいれている。詳しくは他の項で説明するとしても、ここで重要なことは、すべてのてんかん発作においては、医学もケイシーも、脳内での現象は同じことを意味していることである。

 てんかんの形は2つにわけられる。

1)症状的てんかん
2)原因不明なもの

症状的てんかんといわれるものは、はっきりと理由がわかっているものであり、頭にダメージをうけたりしているもので、てんかんという分類になる。この場合は、いくつもの条件がてんかんの原因になる。たとえば、遺伝子的な要素があることもある。ほかには、頭に外傷があること、脳腫瘍、そして、脳内の血流がとまることなどが、これらの原因になる。しかし、4分の3のケースが原因不明であり(Pedley, 1985)、その意味で、これは、"病気で、しかも原因が認識不可"である。歴史的には、原因不明なものはいくつかの名前でよばれている。

てんかんの例で、脳に障害がみられないとわかると、"原因不明、あいまいな、必要不可避な、純粋な、最初にかかる、または、真性"のてんかんなどとよばれる。(Epilepsy Foundation of America, 1975, p17) このなかで、昔、真性てんかんとよばれていた原因不明の症状は, ここで意味がでてくる。

というのは、エドガー・ケイシーが超心理的能力をつかって情報を読み込んだ時に、利用した名前が真性てんかんだからだ。

エドガー・ケイシーの考え方
エドガー・ケイシーはいくつものちがったタイプのてんかんに対し、数多くのリーディングをおこなった。ケイシーはてんかんには幅広い種類があると認めた上で、ほとんどの場合、てんかんの病気の原因は脳にないといった。その代わりに、消化器官が(下腹部)がその原因にあることが多かった。

ケイシーはほとんどのケースが下腹部の乳ビ管が"くっつきあってしまっている(癒着)"ことが原因だとした。癒着状態というのは、"あたらしい組織(たとえ ば傷がついたあとにできた)がほどけないでいたりしてることである。原因になるのは、その部分の炎症か傷害であり、ふつうの状態であれば、おたがいにはなれた組織なのである。

エドガー・ケイシーがみたケースはその下腹部内部の腸が癒着状態になっていることがおもな原因だった。

それは以下のようなものである:
1)下腹部の外傷によるもの
2)発熱により、下腹部の炎症
3)背骨の傷害(とくに背骨下部)
4)困難を伴ったお産によっておこった傷

もっと具体的には、下腹部の癒着状態のなかでも、てんかんの場合は乳ビ管が関係しているといった。乳ビ管はリンパの一部である。そこに、消化された食べものがとおるたびに、栄養を小腸から吸収する。

乳ビ管の癒着により脂質とタンパク質の吸収が弱まり、また、それによって、血液とリンパ液の循環が悪くなり、いままであった神経系の平衡状態がくずれたり、バランスが悪くなったりする。てんかんは、ケイシーが指摘するなかでは、この神経系のバランスが悪くなっていることが原因だとすることがもっとも多いので ある。

ケイシーの治療モデル

エドガーケイシーの治療にたいする考え方は、彼が示唆するてんかんの原因に当然対応するものである。ケイシーはこの下腹部の乳ビ管の癒着が原因であるとしたので、対応はこの癒着を解くことを目的としていて、原因となる場所は体の下腹部の右側になる。

ケイシーが進めた最も多くの方法は、ひまし油湿布をこの癒着部に対応する場所でおこなうことである。ひまし油の植物の種からとったものであり、商品化されている。エドガーケイシーはこれを、お腹のへそから、側面をかぶるぐらいにの大きさにフランネル(ネル)の布をきり、ひまし油をしみこませ、その塗布された 布をあたためて、下腹部の癒着の部分の上にあたる場所にのせる。暖かさとオイルの相乗効果で、テンカンに関係した下腹部内の癒着を分解する。

下腹部の右側面、ちょうど腸の乳ビ管の上あたりに、ひまし油を塗布した布をあてておくのが典型的なやり方である。これを一時間続ける。そして、1時間がすぎたあと、毎回、その部分をマッサージすると癒着の分解に役立つ。これを一週間に、何回かくりかえす。

ひまし油湿布とは?

ケイシーが薦めたてんかんに関してのその他の点は、
・背骨の調整
・食事療法
・水治療法による腸洗浄
・薬
・気持ちの持ち方(心的態度)

参考文献

Epilepsy Foundation of America.  (1975).   Basic Statistics on the Epilepsies.  Philadelphia: F.A. Davis Company.

Pedley, T. A.  (1985).  Brain, Nerve, and Muscle Disorders.  In D. F. Tapley, R. J. Weiss, & T. Q. Morris (Eds.), The Columbia University College of Physicians and Surgeons Complete Medical Guide.  (pp. 594-595). Mt. Vernon, NY: Consumers Union.

Thomas, C. L. (Ed.). (1973). Tabor's Cyclopedic Medical Dictionary.  Philadelphia: F. A. Davis Company.

追記:上記の情報は医学的な診断や治療を、個人がおこなうものを目的としていません。これらの情報を活用するときには、かかりつけの医師や専門家に相談くださるようお願いいたします。

翻訳:田尻たかなり